ワークカードとTodoの分け方

 
業務プロセスの作成を進めていく中で、この業務はワークカードとして管理するべきか、あるいはTodoとして管理するべきか迷うときがあります。ここではどちらで管理するかの判断軸として「人」「時間」「名称」の3つの視点からご案内します。人軸での判断の次は時間軸での判断、最後に名称軸での判断の流れで考え方の参考にしてみてください。

1. 「人」を軸とした判断

多くの業務は一人だけではなく、所属チーム内のメンバーや他部署のメンバーといった複数人で一緒に進めていきます。複数人で進める業務は「誰が」「何をするのか」がはっきりしていないと、進捗状況が見えづらくなり、状況確認のために余計な時間や労力を要することに繋がります。 そのため、業務は誰が進めるかをはっきりさせつつ、タスクが完了したら次の人にパスをするという流れを徹底することが、業務を円滑に進めるにあたって重要なことだといえます。
BYARDでは業務内容を指す「ワークカード」と具体的な作業内容を指す「Todo」があります。
 
ワークカードには「担当者」と「共有者」の2種類の役割があり、「担当者」には一人だけメンバーを追加することができます。(※「共有者」は関係者を複数人含めることが可能です。)前述の通り、業務を実行するのは誰かをはっきりさせるために、担当者は一人だけという仕様になっております。ワークカード一つにつき一人の担当者となるよう、「」がこの業務を実行するのかを意識しましょう。
入社対応の業務で担当部門を割り当てた際のイメージ(実際は一人を割り当てます)
入社対応の業務で担当部門を割り当てた際のイメージ(実際は一人を割り当てます)
 
ワークカードを作成したら、次にTodoを考えていきます。業務の配下には複数の作業が含まれることがあります。入社の手続きであれば、入社書類を回収したり、労務管理システムに情報を登録したりなど、複数の作業を経て入社の手続きという業務が完了します。当然ながら各作業も誰が実行するかを考える必要があります。
BYARDではTodoはワークカードの中に内包されていますが、一つひとつのTodoに担当者をアサインすることはできません。これはワークカードの担当者=Todoの担当者という構図にしているためになります。このイコールの関係性によって、誰が作業をして次は誰に業務が渡るのかという業務の所在を明らかにしています。
実際にTodoを作成してみると、一つのワークカード内で作業の実行者が複数人になることがあります。この時はTodo自体をワークカードとして切り出して管理することを検討してみましょう。
 
作成した業務プロセスをもとにワークカードを完了すると、次のワークカードにアサインされている人へ通知が届きます。通知がボールの代わりとなって、次へ次へと業務のパスが回っていくことになります。そこに「今はどういった状況なのか?」などの確認やコミュニケーションはいりません。

2. 「時間」を軸とした判断

多くの業務はこの日までに終わらせないといけないという期限日があります。 BYARDでもワークカード単位で期限日を設けることができます。
本来、業務(ワークカード)の前後は異なる人が割り当てられますが、時間の概念が入ることで前後の関係性が同一人物になることがあります。
例えば、入社準備の業務フローの中で「入社手続き(必要書類の送付など)」と「社保関係手続き(健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届の提出など)」は労務の担当者が行うとします。同じ担当者の業務ではありますが、各業務の中にある細かい作業(Todo)の実施タイミングや期限は異なります。入社手続きは入社前に終わらせますが、社保関係手続きが終わるのは入社後になります。仮に、一つのワークカード内ですべてのTodoを管理した場合、社保関係手続きが終わらない限りワークカードは完了にならず、期限も社保関係手続きの期限に合わせることになります。つまりは、入社手続きの期限が入社後の日付となり、実態とずれが生じます。同じ担当者の業務だからといって期限の異なる業務を一つのワークカードにまとめようとすると、かえって業務が管理しづらくなるのです。 そこで、期限が異なる業務はワークカードを切り分けてみましょう。

3. 「名称」を軸とした判断

「業務」とはある職種や職務において発生する抽象的な仕事全体を指し、「作業」はある仕事の中で実際に手を動かし行う具体的で局所的な仕事を指します。つまり業務の中に作業が含まれており、親子関係であるといえます。
BYARDでは業務を「ワークカード」、作業を「Todo」と称していますが、この親子関係を明確にすることでワークカードとして管理するか、Todoとしてワークカードの中に含めるかを判断しやすくなります。ではどの様に明確にするかですが、業務と作業の「名称」を考えてみると良いでしょう。
前述のとおり、業務は抽象的な仕事を指すことから「面接」「内定通知」「入社手続き」といったように名詞表現になります。実際は「面接」の中に、「日程調整をする」「面接会場を確保する」「面接結果を共有する」といった、具体的な行動が含まれております。具体的な行動は「〇〇する」のように動詞表現になります。BYARD上で「〇〇を行う」「〇〇を実施する」のように助詞や動詞を使うものは、具体的な作業を表すことからTodoになると考えられます。一方で動詞ではなく名詞として抽象的な表現のものは、ワークカードとして管理します。
 
必ずしもすべてのケースで当てはまるとは限りませんが、ワークカードとTodoどちらで作成すべきか迷う時は、作成しようとしているものが名詞表現もしくは動詞表現どちらで表すかの視点で考えてみると判断がしやすくなるでしょう。

まとめ

  • 一つのワークカード内で作業を行う担当者が複数人いる場合は、ワークカードを複数作成し、担当者が一人になるよう管理しましょう。
  • 一つのワークカード内で作業を行う担当者が同じであっても、業務の期限が異なる場合はワークカードを複数作成し管理しましょう。
  • 「日程調整をする」の様に動詞表現のアクションはTodo、「面接」の様に名詞表現のアクションはワークカードとして管理しましょう。